中上貴晶、16番グリッドから8位でフィニッシュ。今季6回目のトップ10フィニッシュを果たす
第7戦カタルニアGPは、6月16日、カタルニア・サーキットで24台が出場して決勝レースを行い、予選16番手から好スタートを切った中上貴晶が、周回を重ねるごとに着実にポジションを上げ、8位でフィニッシュしました。
初日のフリー走行では、これまでのベストとなる3番手スタートとなりましたが、土曜日の予選は、グリップの悪い路面にセッティングを合わせきれず、今季ワーストグリッドとなる16番手に終わりました。しかし、決勝日朝のウォームアップで6番手タイムをマークすると、決勝ではフロントにミディアム、リアにソフトのタイヤを選択。レース終盤はタイヤの消耗でややペースを落としましたが、目標とするトップ10フィニッシュを達成しました。
今大会は、金曜日こそやや雲の多い天候でしたが、土曜日、日曜日と青空が広がりました。決勝日は、最高気温が26℃、路面温度51℃と、レースウイークを通して最も厳しいコンディションとなり、完走13台という過酷なレースとなりました。
その中で中上は好スタートからオープニングラップ14番手に浮上。2周目には、ホルヘ・ロレンソ、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)の多重クラッシュなどもあり、9番手へとポジションを上げます。その後、チームメートのカル・クラッチロー、ポル・エスパルガロ(KIM)らとグループを形成して周回を重ね、レース中盤には先行するチームメートのクラッチローが転倒でリタイアとなりますが、中上はそれまでのポジションをしっかりキープし、24周を走りきりました。
前戦イタリアGPでは、自己ベストリザルトとなる5位でフィニッシュしました。今大会は、タイヤのパフォーマンスを最大限引き出すセットアップを果たせませんでしたが、グリップを優先し、ソフトコンパウンドを選択する作戦としました。予想通り、終盤はやや厳しい走りとなりましたが、今大会ではベストな選択となりシングルフィニッシュを達成しました。
これで、7戦を終えて6戦でトップ10フィニッシュ。今季の成長をしっかりアピールするレースとなりました。
中上貴晶(8位)
「今日はスタートがよく、序盤の数周もムジェロと同じくらいアグレッシブに走ることができました。これまでの課題を今回も克服できたことで、序盤にポジションを上げることができました。予選を終えた時点で、耐久性よりもグリップを優先するタイヤ選択とし、リアにソフトを選択しました。そのため、スタート直後からリアタイヤのマネージメントを心がけましたが、全体的にうまくいったと思います。しかし、ラスト5周はさすがに厳しくなり、集中力を切らさないように最後まで走りました。今日は終盤にタイムを落としたのが課題となりましたが、レース中に、エンジンブレーキ、トルク調整をしながら走るという経験を積むことができました。レースウイークを通じて、グリップが悪く、そのためコーナーの進入が難しく、ラインをキープするのが大変でした。今日は転倒車の多いレースとなりましたが、限界を超えないように、最後まで持てる力を出すことができました。満足のいく内容ではありませんが、16番手というグリッドを考えれば、8番手でフィニッシュできたことはよかったと思います。いい経験、データを蓄積することができました」