中上貴晶ベストリザルトの5位でフィニッシュ。インディペンデントチームライダーで初のトップフィニッシュを達成
第6戦イタリアGPは、6月2日、ムジェロ・サーキットで23台が出場して決勝レースを行い、予選10番手から決勝に挑んだ中上貴晶が、ベストリザルトの5位でフィニッシュしました。好スタートを切った中上は、オープニングラップで6番手に浮上しました。その後、アレックス・リンス(スズキ)、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ)に先行を許し8番手に後退しますが、MotoGPにデビューしてから初めてトップグループに加わりました。
ムジェロはロングストレートでスリップストリームの使い合いがレース展開に大きく影響します。そのストレートでは、ワークスマシン勢が速く、アドバンテージはありませんでしたが、中速、高速コーナーが連続するセクター2とセクター3では、トップの選手たちとの差をしっかり縮め、2018年型RC213Vのパフォーマンスの高さを証明しました。
その後も中上はしっかりトップグループに加わると、レース中盤の12周目にはバニャイアの転倒で7番手、15周目にはチームメートのカル・クラッチローをかわし6番手へ、16周目にはジャック・ミラー(ドゥカティ)が転倒し5番手へ浮上しました。終盤はマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)の厳しい追撃を受けますが、トップグループを視野にペースをしっかりキープした中上は、その差をしっかり守り切って5位でフィニッシュしました。
今大会は、フリー、予選の段階でミディアムタイヤを選択することを決め、ミディアムでセットアップを進めたことも好成績につながりました。ウエットコンディションとなった昨年の最終戦バレンシアGPの6位がこれまでのベストリザルトですが、ドライコンディションで達成したベストリザルトにチームも大喜びでした。
グランプリにデビューしてから「1番いいレース」とコメントした中上。チームのホームグランプリで初めてインディペンデントチームライダーのトップでフィニッシュし、チームの期待にしっかり応えました。次戦カタルニアGPでは、さらに上位を目指します。
「今日はいいスタートが切れました。そのおかげで1コーナーでは、思い通りのラインを通ることができてポジションを上げることができました。その後も落ち着いて、力強い走りができました。ペースは、全体的にそれほど速いものではありませんでしたが、トップグループについていくのはさすがに簡単ではありませんでした。しかし、今日はカル(・クラッチロー)についていったことで、いいリズムをつかむことができました。ストレートでは厳しい走りになりましたが、今回はセクター2とセクター3でとてもいい走りができていたので、その区間でトップグループのライダーたちとの差も縮めることができました。今大会は予選を終えた時点で、前後ミディアムで行くことに決めました。タイヤの選択に迷いがなかったことも、強い気持ちでレースを戦えた要因でした。今日は初めてトップグループで走れたことで、自分の速いパート、そうでないパートをしっかり見ることができました。今日の経験を、次戦以降、しっかり活かしたいです。今大会はチームのホームグランプリだったので、自己ベストはもちろん、インディペンデントチームライダーの中でトップでゴールできたことで、少しは期待に応えられたかなと思っています。グランプリに来てから、今日は1番いいレースになりました。すばらしいバイクに仕上げてくれたチームに感謝しています」